大妻女子大学 教授
青江誠一郎
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国民健康・栄養調査の結果によれば、日本人はカルシウム摂取量が少なく、一日600mgを下回る年齢層が多いという状況が続いています。
これは、日本の土壌にはもともとカルシウムが少ないため、水やその土壌で栽培される野菜のカルシウム量も少ないのが一因でしょう。さらに加工食品やファーストフードなどを多く利用する食生活の変化により、日本人は全国民的に慢性的カルシウム不足の状態にさらされていると云っても過言ではありません。
カルシウムの生体における役割はとても複雑です。カルシウムは骨や歯を構成する主成分以外にもっと機能的な役割をもっています。たとえば、筋肉の収縮や弛緩、血液の凝固、多くの酵素の作用など生物が生きていくうえで必須の役割を担い、カルシウムに代わるミネラルはありません。
近年、急速な高齢化社会の到来とともに、骨粗鬆症による大腿骨頸部などの骨折の急増が報告されました。さらにカルシウム不足による肥満、糖尿病、高血圧のリスク増加の可能性が示されるようになり、カルシウム栄養の重要性が再認識されるようになりました。今一度、カルシウムの重要性を認識し、効率よく摂取するように心がけて欲しいと思います。
大妻女子大学 教授
青江誠一郎
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先生の経歴
氏名 |
青江 誠一郎
(あおえ せいいちろう) |
現職 |
大妻女子大学家政学部食物学科 教授
農学博士 |
専門 |
食品及び栄養化学 |
研究テーマ |
食品成分(食物繊維、脂質、ミネラル)の構造と生体調節機能 |
プロフィール |
千葉大学大学院自然科学研究科博士課程終了
雪印乳業株式会社技術研究所を経て 平成15年度より大妻女子大学家政学部へ
平成19年度より教授 平成26年度より家政学部長
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所属学会等 |
日本栄養・食糧学会評議員
日本栄養改善学会評議員
日本食物繊維学会常務理事
日本酪農科学会常任幹事
日本肥満学会評議員 |
研究実績 |
乳中のカルシウムの構造と生体利用性に関する研究
乳塩基性タンパク質(MBP)の機能研究と臨床応用
穀類の食物繊維の機能性に関する研究
昆布の食物繊維の機能性に関する研究 |
外部リンク
大妻女子大学家政学研究科サイト>教員紹介>食物学専攻>青江誠一郎