免疫とカルシウムの関係
寒さも本番、風邪を引いたりインフルエンザに掛かったりしていませんか? 特に受験生の皆さんは最後の追い込みの時期ですね!体調を整えて、持てる力を全て出し切れるようにがんばってください。
さて、今回は感染症(風邪やインフルエンザといったウイルス等の病原体)の攻撃に負けない身体を作るために大切な、免疫とカルシウムのお話です。
他の細胞と同様に『免疫細胞』と言って、免疫を担当する細胞が外敵の侵入から体を守ります。
通常、細胞内にはカルシウムがほとんど無く、細胞外のカルシウム含量との濃度差は1対10,000を保っています。情報伝達物質であるカルシウムは、濃度差が保たれている状態であれば細胞への情報伝達がきちんと行われますので、細胞も正常な働きをすることができます。
ところが、食品などから摂取するカルシウムが不足すると、それを合図に副甲状腺ホルモンが分泌され、免疫細胞を初めとする細胞内にカルシウムが入り込みます。すると、細胞内外の濃度差が小さくなるため、情報伝達が上手くいかなくなり免疫細胞は普段より機能しなくなります。
その結果、抵抗力が弱くなり、感染しやすくなってしまいます。
このように、カルシウムは免疫細胞が機能するためにも重要な働きをしています。
カルシウムは、国が定める一日当りの食事摂取基準における推奨量に男女とも満たない栄養素です。継続的にカルシウムを摂って、かぜなどの感染症を寄せ付けない丈夫な身体を作りましょう!
参考:藤田拓男「カルシウムのすべて」あき書房 P34-44